ディープワーク(deepWORK)は、スピーディーで激しい体操と、ヨガ的なゆったりした動きを交互に行うエクササイズです。スピードを追求する場面と、バランス力や体幹を鍛える場面がしっかりと区分けされており、「高強度インターバルトレーニング」(HIIT)としての要素の強いプログラムになっています。全身が鍛えられ、ダイエットにも適しています。
「静」と「動」の融合
フィットネスのプログラムには、大きく分けて呼吸や体の内側を重視する「静的」なものと、激しい動きをダイナミックに展開する「動的」なものがあります。 静的なプログラムの代表例がヨガであり、動的なプログラムの代表例がバーベル運動やエアロビクスです。 一般的に静的なプログラムは東洋的な文化の影響が強く、動的なプログラムは主に西洋で開発されているものが多いです。
ドイツ発祥
こうしたなか、「静」と「動」を組み合わせたエクササイズとして注目されているのが、「ディープワーク」(deepWORK)です。ディープワークはドイツが発祥。ヨーロッパを中心に普及しています。西洋的でダイナミックな有酸素運動や筋力トレーニングに、東洋的なヨガの精神が取り入れられています。
日本では、2017年4月に初上陸しました。現在、大手スポーツジムの「ルネサンス」の多くの店舗で導入されています。
動画
テーマは「静と動」
高強度インターバルトレーニング(HIIT)
ディープワークでは、エアロビクスと筋トレを組み合わせたような有酸素運動を1~2分続けた後、 ヨガやピラティスのような静止ポーズまたは体幹トレーニングを挟み、 再び1分間の有酸素運動を行います。 ハードな動作を断続的に行う高強度インターバルトレーニング(HIIT、ヒイット)の一種になります。
全体の構成
ディープワークの1回のレッスンは45分間が基本です。全体の流れとしては「ストレッチ→有酸素運動→筋トレ→有酸素運動→瞑想」になっています。
このうち時間が最も長い時間が費やされ、メインパートとなるのが「有酸素運動」と「筋トレ」です。 この有酸素運動と筋トレの途中でヨガポーズまたは体幹トレーニングが30秒または1分間入り、体の調整・回復(インターバル)の効果を生みます。
内容 | 長さ | |
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インストラクターの説明 | 2~3分間 | |
ストレッチやヨガポーズ(チャイルドポーズ、猫と牛のポーズ、ダウンドッグなどの組み合わせ) | 8分間 | |
有酸素運動と静止ポーズの練習 | 2分間 | |
有酸素運動 | 1本目: 練習1分、本番1分、静止ポーズ30秒 |
10分間 |
2本目: 練習1分、本番1分、静止ポーズ30秒 |
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3本目: 練習1分、本番1分、静止ポーズ30秒 |
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4本目: 練習1分、本番1分、静止ポーズ30秒 |
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休憩 | 30秒~1分間 | |
筋トレ | 1本目: 練習1分→本番1分→体幹の筋トレ30秒→練習1分→本番1分→体幹の筋トレ30秒 |
10分間 |
2本目: 練習1分→本番1分→体幹の筋トレ1分→本番1分→体幹の筋トレ1分 |
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休憩と、動作の詳しい説明 | 2~3分間 | |
有酸素運動のまとめ(4種類の動きを1分ずつ連続で行う) | 4分間 | |
休憩 | 1分間 | |
瞑想、深呼吸、軽いストレッチ | 3分間 |
「自分の体」と向き合う
ディープワークのテーマは、自分の体と向き合うことです。強度の高い動きを1分間にわたって続けるのは体力的に相当きついてですが、極限に挑戦することで体を開拓していきます。
複数のムーブメントの組み合わせ
通常の筋トレやインターバルトレーニングだと、「スクワット」「腕立て伏せ」といった単調な動きが多くなりますが、ディープワークは複数の運動を組み合わせた動きが中心です。
流れるように動く
美しさの追求
立体的でやや複雑な動きを大ざっぱに行うのでなく、スムーズに流れるように展開していくことが求められます。 一つ一つの動きにおいて、指先や視線までを意識します。 それによって、体のきめ細かな機動性を養成。美しいボディラインの形成へとつなげていきます。
強弱をつける
また、ディープワークでは、それぞれの動きにおいて体の中で「力を入れる部位」と「力を抜く部位」が明確に区分けされています。 筋肉の使い方の強弱をつけることで、体をコントロールする能力が高まります。筋膜リリースの効果も期待できるといいます。
マイペース
ディープワークの最大のポイントは、「自分のペース」にあわせて動くという点です。音楽のリズムやインストラクターにあわせるのでなく、自分の好きな速度でトレーニングを進めます。 つまり、余力のある人は速いスピードで、苦しいと感じる人はゆっくりのペースでOK。 自分の呼吸・鼓動、体力にあわせた効果的なトレーニングにすることができます。
ヨガ的な雰囲気
照明を暗く
ディープワークは、照明を暗くしてヨガ的な雰囲気の中で行われます。音楽も西洋的なロックやポピュラーミュージックではなく、東洋的な静寂感のあるスピリチュアル系の曲が採用されています。
裸足
バーベルなどの道具は使わず、マットだけで行います。シューズは履かず裸足(素足)です。全体として、自分の内側に意識を向けやすい環境でレッスンを行うことを目指しています。
ボディアート・トレーニング
ディープワークは、ドイツのボディアート・トレーニングという団体が主宰しています。ヨーロッパで人気プログラムとして普及しており、最近ではアメリカや日本でも採用するスポーツジムが増えています。日本では大手ジムのルネサンスが多くの店舗で導入しています。
ロバート・シュタインバッハー
ディープワークの開発者は、ドイツ出身のロバート・シュタインバッハー(Robert Steinbacher)氏です。シュタインバッハー氏は元器械体操選手で、20年以上にわたりフィットネス・インストラクターとして活躍。ヨガやピラティス「ボディーアート(bodyART)トレーニング」という独自プログラムを開発しました。このボディーアートの有酸素運動のパートを発展させたのが、ディープワークです。