アーサナとは、ヨガのポーズのことです。ヨガの教典である「パタンジャリ・ヨガ・スートラ」には、84種類のアーサナが載っています。その84種類のアサナをベースに様々なバリエーションが生み出されました。現在、ヨガスタジオやジムのレッスンで教えられているポーズも、大半はこの84種類の基本形またはその応用形になります。また、84種類のアーサナのベースには瞑想があり、いずれのアーサナも瞑想が変化したものとなります。

弾みや反動をつけずゆっくりと

アーサナは、体操やスポーツの動きとは違って、呼吸とともにゆっくりと行ないます。スローモーション動画のような感じでいいようです。ゆっくりとした動きという点では、太極拳にも通じるものがありますね。このため、「弾み」や「反動」をつけて行うのは、本来のアーサナの姿ではないということです。

アーサナの語源

「座る」という意味

アーサナはサンスクリット語で「座る」ことを意味します。もともとヨガは瞑想から生まれたものであり、アーサナも当初は座ったポーズ(座法)が中心だったようですが、その後、立位も含めてアーサナと呼ばれるようになりました。

ただ、立位の目的も「心の安定」にあることは変わりません。どのアーサナもポーズをとるときは、「心がすわった状態」を目指します。

アーサナの目的

ヨガのアーサナは体を動かすことが目的ではなく、アーサナによって心と体をリセットし、エネルギーを再生させることが目的です。アーサナをすることで、肉体的にもメンタル的にもクリーンな状態になります。その結果、私たちが本来持っている能力が引き出されるようになります。いわゆる「自然治癒力」も、ヨガによって回復する能力の一つです。

偏りなく行う

ヨガは、トータルで健康な心身を目標としているものなので、アーサナも片寄りのないようバランス良く行いましょう。複数のアーサナを上手に組み合わせて、丁寧に全身を整えていくのです。日一日と深めてゆくなかで、体中で変化がおきていくでしょう。

アーサナと呼吸

ヨガの呼吸法は、ゆっくりとした静かな呼吸が基本ですが、これはアーサナの一つ一つの動きをしているときも同様です。

呼吸をともなわないアーサナはないといっていいでしょう。アーサナは、ポーズをとったときに一定の長さを保って静止しますが、この時も呼吸を重視します。

「気持ちい良い」と思える範囲内で

アーサナの流れる様なゆるやかな動きは、爽快で心地よい感覚を与えてくれるはずです。一連のポーズが終わった後は、心が静まるまで充分リラックスしましょう。一方、痛みをこらえながら緊張状態でのアーサナを行うことは逆効果になります。あくまで「気持ちいい」と思える範囲で体を動かしましょう。

アーサナの効果

アーサナで呼吸と同時に体を動かすことで、血流がスムーズになります。新鮮な酸素が全身にゆき渡り、細胞組織が活性化します。これが、アンチエイジングの効果をもたらします。

また、アーサナは背骨を様々な角度に動かしますので、背骨に通う自律神経にも良い影響を与えます。自律神経のバランスが整えられることで、いきいきと生命力がみなぎることでしょう。