私たちの姿勢は、骨盤と密接な関係があります。骨盤の傾きがどうなっているかによって、背骨の曲がり方が大きく左右されるからです。悪い姿勢は見た目の美しさを損なうだけでなく、腰や肩の痛みの原因にもなります。
腰痛
一般的に、骨盤が前傾ぎみの人は腰が反りやすいとされます。いわゆる「反り腰」です。反り腰だと、腰の神経が圧迫されやすくなり、腰痛のリスクが高まります。
肩こり
骨盤が後傾ぎみの人は猫背姿勢の傾向があります。猫背の状態が続くと、慢性的な肩こりを引き起こしやすくなります。
良い姿勢とは
骨盤のゆがみを正すには、日ごろからよい姿勢を保つことが最も大切だとされます。
良い姿勢とは、体を横から見たときに適度な「S字」のカーブが描かれていて、見た目に美しくバランスがとれていることです。そして、「長時間たってもくたびれない」ことも、良い姿勢のポイントです。
さらに、次の動作にたやすく移れる機能的な姿勢であることも条件になります。
安定した状態
より具体的に言えば、姿勢が最も安定している状態では、横からみて、耳から下ろした垂直な線が、肩関節や股関節(こかんせつ)の中心をとおっています。さらに、ひざ関節の前をとおって足のくるぶしの前に落ちています。
どうすればいい?
ではどのようにすればよい姿勢がとれるのでしょうか?
おしりを引き締める
まず、頭を空中に浮く風船に見立て、その下に背骨がぶらさがっているようなリラックスした姿勢をイメージしましょう。あごを引き背筋を伸ばし、いつも背を高くするように心掛けることです。
さらに、ヘソが背中につくような気持ちで腹圧をかけます。おしりの筋肉も引き締めます。胸を張らず肩を落とします。心持ち体重を前にかけ、足の親指で立つような気持ちになります。
こうすると、理想の姿勢にぐっと近づいていきます。
ポイントは「腹圧」
良い姿勢をつくる上で、もうひとつ欠かせないのが腹圧です。
腹圧とは、お腹をへこませる力のことをいいます。腹圧がないと、内臓を正しい位置におさめておくことができず「下腹部ぽっこり」の原因になります。腹圧が適度に保持できれば、骨盤を正常な角度で安定させることができます。
骨盤安定へ
腹圧をかけるということは、抗重力筋を働かせることでもあります。 姿勢が崩れたなと思ったら腹圧をかける習慣を身に着ければ、姿勢がどんどん改善されていきます。