後屈は、ヨガのベースとなる動きの一つです。後屈を上手に行うことで、胸が開いて呼吸が深まり、ポーズがより効果的になります。 「肩がすくんで胸が閉じやすい」という現代人に共通する体質を改善できます。 力まかせでやろうとすると、腰を痛める恐れがあります。コツをふまえて後屈系ポーズをしましょう。

ヨガの後屈

ヨガでは、実にたくさんの後屈系ポーズがあります。有名なところでは、「橋のポーズ」「魚のポーズ」「上向き犬のポーズ(アップドッグ)」「コブラのポーズ」「三日月のポーズ」などです。 後屈の技術を高めることで、これらのポーズを深めることができます。

効果

猫背の現代人

現代人は仕事でデスクワークやパソコン作業をする時間が長いです。 私生活でもスマホを見ながらうつむくといった動作が多いです。 このため、背中が丸まって前傾姿勢になる傾向があります。 いわゆる「猫背」です。

猫背になると、肋骨や骨盤が前下がりになった状態になるため、胸が圧迫され、深い呼吸が阻害されやすくなります。また、骨盤内の内臓も圧迫されがちです。

そこで、後屈を行うことで、胸を伸ばし、倒れた骨盤や背骨をまっすぐに戻します。 胸や腹部を体の重圧から解放し、内臓をラクにしてあげるのです。 これによって、メンタル面でも気分が前向きになるなどの効果が期待できます。

伸ばす力

前かがみになっている姿勢を矯正するには、背中を伸ばす働きを持つ筋肉の強化が必要になります。

後屈を行うことで、背筋などの「体を伸ばす力」を鍛えることができます。

股関節から太ももの前面

後屈をすると、股関節から太ももの前面にかけての筋肉を伸ばすことができます。具体的には「大腿四頭筋」(だいたいしとうきん)という筋肉です。

最大の筋肉

大腿四頭筋は、「大腿直筋」「外側広筋」「内側広筋」「中間広筋】の4つの筋肉から構成されています。 お尻やふくらはぎの筋肉よりもはるかに大きく、人体の中で最大です。

代謝アップ

この大きい筋肉をほぐし鍛えることで基礎代謝が大きくアップします。また、全身の血流がスムーズになり、冷え体質が改善される効果が期待できます。

後屈のコツ

「反る」よりも「伸ばす」意識

後屈というと、どうしても「反る」というイメージが強くなりますが、「反る」というより「伸ばす」というイメージを持つことが大切だと言われます。 頭や鎖骨が上のほうに伸びていくことで、縮こまっていた胸や腹部が広がり、体が開いていくという感覚です。また、呼吸に合わせてゆっくりと伸ばしていくことも重要なポイントだとされます。

骨盤とお尻

後屈をするうえで、大きなポイントになるのが「骨盤」と「お尻」です。

お尻に力

後屈では、体に背面の肉をお尻に集めます。お尻に力が入って縮まれば縮まるほど、体の前面が伸びやすくなります。前屈で下腹に力を入れるのと同じ理由で、お尻に圧をかけることで前面が存分にストレッチできるのです。

尾てい骨を下に向ける

後屈をするときは尾てい骨を下に向け、お尻をしまいこみます。これによって、背中だけで曲げるのでなく、骨盤と股関節を使って体を曲げていきます。

恥骨を前面に

後屈では恥骨をぐいっと前に出します。そうすることで曲がる角度が鋭角になり、ストレッチ効果を高めることができます。

肩甲骨と胸

腰よりも肩甲骨の間を反らせる

上半身では、腰よりも肩甲骨の間のあたりを意識したほうが良いとされます。 肩甲骨の間の下のほうにある骨を前に突き出すような感覚を持ちます。事前に肩甲骨の間の硬い骨の部分を手でほぐしてあげると、伸びやすくなると言われます。 腰から無理に反らせようとすると、腰痛を引き起こす恐れがあります。

胸を開く

後屈の目的の一つは、胸を開くことです。胸が広がって、その反対側にある背中の中心に肉が集まってくるというイメージを持ちましょう。

ひじを前後に向ける

アップドッグのように両腕で床を支える後屈ポーズでは、脇の横をしっかりと締めます。 また、ひじの角度を左右に向けるのでなく、前後に向けます。 体を曲げるときに二の腕を前に押し出すような感覚を持つことで、 腕の力による伸長効果が働きます。

鎖骨と顔

鎖骨を上にあげ、頭のてっぺんから空に向かって上昇するイメージを持ちます。 肩の力は抜き、耳と肩と間は離します。