太陽礼拝は、現代のヨガの中で最も人気のあるメニューの一つです。 12の連続したポーズで構成されており、体を総合的に整え、鍛えることができます。 12のポーズの中には、「下向きの犬のポーズ(ダウンドッグ)」のように、単独でもたいへんポピュラーな動作があります。

起源

太陽礼拝は、英語では「Sun Salutation」(サン・サルテーション)、サンスクリット語では「スーリヤ・ナマスカーラ」といい、世界的にも広く普及しています。

実は、大陽礼拝がヨガのポーズとして広まったのは20世紀になってからで、古いヨガの教典には載ってません。その起源ははっきりとしていないようですが、「近代ヨガの父」と呼ばれるクリシュナマチャリア師が始めたという説が強いです。

とはいえ、大陽礼拝の基本となる考え方は、インドの伝統的な思想に深く根差しています。インドでは古代期から、太陽の与えてくれるエネルギーを神聖なものとしてとらえ、「太陽神」として礼拝する習慣がありました。

ヨガの太陽礼拝にも、すべての生命の根源である太陽に感謝するという意義が込められています。12の連続したポーズは、単なるポーズの集まりではなく、その一つ一つが太陽への神聖なる礼拝の行為なのです。

インドの道場でも人気

現在、インドのほとんどのヨガ・アシュラム(道場)では、大陽礼拝が行なわれています。

また、欧米などでも、パワーヨガやアシュタンガヨガといった運動量が多めのヨガでは、大陽礼拝が一番のベースと位置付けられおり、レッスンの最初に大陽礼拝を行う場合が多いです。

やり方

大陽礼拝のポーズの流れを見てみましょう。

見本

まずは、見本となる動画をご覧ください。

解説

5つのステップに分けて、動きを解説します。

合掌から前屈まで

(1)ヨガマットの一番前に立ちます。両足をそろえ、直立して合掌。息を調えます。

(2)息を吸いながら合掌した手を上げます。手のひらを太陽に向けて上体を反らせます。

(3)息を吐きながら、上体と伸ばした腕を同時に前に倒します。
両方の手のひらは両足の外側に置きます(この手のひらの位置は最後まで動かしません)。
顔を膝の前に引き寄せ、できたらぴったり着けます。

プランク

(4)右足を後ろへ引き、右足の甲と膝を床に着けます。
同時に息を吸いながら重心をなるだけ低くして上体を反らします。
左足は深く折れ曲り、左足の裏はしっかりと床に着いている状態です。
左足のひざから下と床が90度の角度が望ましいです。
※お尻を上げたり、下げすぎたりしないように注意しましょう。
顔を前に向けて、目線は正面に。

(5)【プランク】左足を後ろに下げ、右足にそろえます。
両足とも、指で立ちます。
足から頭までを一直線にします。(腕立て伏せをするときのような姿勢)。
この状態で少し静止し、呼吸をします。

アップドッグ

(6)吐く呼吸とともに、両ひざを床につけます。
次いで胸とあごを着けます。
(膝、胸、あごの順番で床に着けていきます。お尻は上がったまま)
胸でマットをこするようにして頭を前方へずらします。
その後、骨盤も床におろします。

(7)【アップドッグ(上向き犬のポーズ)】息を吸いながら頭と胸を上げていき、腕を完全に伸ばして胸を張り、上を向きます。視線も上に向けます。
肩甲骨を下げ、肩が上がらないようにします。(肩の力を抜いてリラックス)

ダウンドッグ

(8)【ダウンドッグ(下向き犬のポーズ)】息を吐きながら、お尻を持ち上げ、斜め後ろの上に引き上げます。
体を山型にします。

(9)この状態でしばらく静止します。背骨をしっかり伸ばします。
両手のひらは、全面をしっかりとマットにつけます。
足はひざを伸ばし、かかとまで床に着けるのが理想ですが、難しければひざを少し曲げ、かかとも宙に浮かせます。
上半身を十分にしならせ、頭が上にぽっこり出ないようにするのがポイントです。
手と足で床を上下に引っ張り合って、マットを引き裂くようなイメージで。

(10)右足を上げ前に出し、両手の間に置きます。
左足は床に着けます。
(右足を一気に前に出すのが難しい人は、いったん左足の膝を床につけてから、ゆっくりと右足を前に出すといいでしょう)

上向きの礼拝

(11)吐く呼吸とともに、左足を前に出し、右足にそろえます。
両膝を伸ばしてお尻を上げるとともに、頭を下げます。
前屈の状態になります。
硬いと感じる人は、ひざを曲げます。骨盤の後ろ(仙骨)のあたりを平らにすることを優先させましょう。
両手は床か足につけます。

(12)両手のひらを床から離して、上に引き上げます。
バンザイして骨盤から上をそらせ、斜め上を向きます。
息を吐いて合掌します。

※この後、左右で逆の動きを行い、1つのセットが終了となります。

効果

呼吸と動作を連動させ、テンポよく太陽礼拝のポーズを数回続けて行うと体が熱くなり、発汗作用が促されます。ボディメイク効果やストレス解消効果をもたらします。