変化、調和、安定

人間が自然の法則にそって、自由に生きていくためにはどうしたらよいかを追求した結果、ヨガでは、すべての人に共通する目標として「変化」「バランス(調和)」「安定」の3つを掲げました。

つまり、何人も「変化しながら、バランスをとりながら、安定を保ちながら生きる」ということです。この原則は、心身両方に共通するものであり、ヨガを通してこの生き方を実践することで、健康や幸福を得やすくなると考えられています。

変化とは

第一の原則である「変化」とは、物事に執着しない、停止をしないということです。すなわち「万物流転」です。

執着しない

自然環境、社会環境は常に流動しており、そこに生きる自分自身も変化するのが自然です。ヨガでは、執着・膠着状態に陥ることを第一に警戒しており、柔軟な心と体の修得を目指します。

バランスとは

第二の原則の「バランス」とは、偏りのないこと、部分的でないということです。

偏りの修正

自然人としての人間、そして文化人としての人間、この両者のバランスをとることはヨガの大きな課題の一つとされます。ヨガの「行」のほとんどは、このバランスの回復であり、偏りの修正の訓練だと言われます。

安定とは

第三の原則の「安定」とは、不安定でないこと、つまり、迷いのない状態のことです。自分にふさわしい、自分らしい生き方をしているとき、心身は安定します。また、自分自身が最高に喜べる生き方をすることは、心と体の健康にも直結します。

原則達成のためのトレーニング

ヨガでは「変化」「バランス回復」「安定」という三つの自然の法則にしたがった訓練を行ないます。それによって、本来私たちにそなわっている力を整え、強めていきます。

「変化」の訓練

環境に応じて自由に変化、適応できる能力をやしなうトレーニングです。自然が生成流転しているにもかかわらず、自分だけがクセや習慣、物事にとらわれているのは、「停滞」を意味します。固定化した考え、マンネリ化した生活は改める必要があります。

断捨離

ヨガでは断捨離行法、修正行法、瞑想行法などを行ない、意識的に変化刺激を与えます。

「バランス回復」の訓練

同一刺激に対し、逆の刺激を与えることができる能力をやしなう訓練です。自然、物事は常に「表裏」「陰陽」の関係にありますが、反対の刺激の活用はバランスを保つ方法となります。

逆の刺激

「逆も真なり」といい、「毒も薬となる」といいますが、逆の刺激によって心身の能力は強化されます。

「安定」の訓練

自分の生命力を最高に発揮できるように心身を安定させる訓練です。どんなときでも笑い、ゆったりとやすらいだ平和な状態こそ、最高に安定した状態であり、ヨガの健康法が目指すものです。

丹田力の強化

ヨガでは、身体の面では「禅」の丹田力を強化する訓練など、心の面では常に精神が安定するよう、仏性を高める訓練を行ないます。