体にねじりを加えると、血流がスムーズになると言われています。ヨガでは、様々なねじりのポーズがあります。いわゆるツイスト系ポーズです。腸の働きを活発にするなどの効果も期待できます。

普段やらない動き

なぜ、体をねじることが効果的なのでしょうか。その大きな理由の一つは、私たちが普段、「ねじる」という行為をあまりしないからです。

かつて人間は、自然界の敵から身を守るため、360度の方向に気を配り、警戒する必要がありました。背後から突然襲い掛かってきても対処できるようにしなければならなかったのです。

そのとき、ただ首をひねるだけは不十分でした。骨盤から上半身をしっかりとひねって、襲撃されたときはすぐに体勢を変えられるようにしておく必要がありました。

体をひねらなくなった現代人

しかし、文明の発展とともに、体ごとねじるという機会が減りました。後ろを振りむくのは、誰かに呼び止められたときくらい。しかも、首だけで振り向くだという場合が多いです。

日常生活で体をひねらなくなったことで、ねじるための筋肉はあまり使われなくなっています。その結果、ねじりに関する筋肉は硬くなりがちです。

効果

血流がスムーズに

ヨガで体をねじることで硬くなっている部分を刺激すると、筋肉が柔らかくなって血流が滑らかになります。栄養分がスムーズに運ばれるようになり、老廃物の排出も促されます。

自律神経が整う

もう一つ、注目したいのが自律神経への影響です。私たちの体の生命活動を支配する自律神経は背骨を通っています。ヨガのねじりのポーズによって背骨を刺激することで、緊張していた背骨がゆるみ、自律神経のバランスが整えられると言われています。

また、ねじると同時に深い呼吸を行うことで、リラックスを促す副交感神経が優位になり、疲れがとれやすくなります。

腸の活性化

ツイストのポーズで体を深くねじると腸がダイレクトに刺激されます。腸のぜん動運動の働きが活発になり、毒素や老廃物を取り除く効果が期待できます。

ねじりのポーズ

ヨガのツイスト系ポーズで最も基本となるのが「ねじりのポーズ」(Spine Twisting Pose)です。 背骨のズレを整え、体の真ん中を通る一本筋を回復するのに最適なアーサナです。 ねじっているウエストに意識を集中させながらこのポーズをすると、下腹やわき腹のぜい肉がとれやすくなると言われています。

完成形

やり方

(1)右ひざを立てて座る。

(2)左ひざを折り曲げて床にべたりとつける。左足をお尻のほうに引き寄せて、かかとを右のお尻につける。

(3)両手で右脚を持ち、引き寄せる。右足の外側が、左ひざの横につくようにする。

(4)息をはきながら上体を右にひねる。左腕のひじを、右ひざの横に持っていく。

(5)左ひじで右ひざを押しながら、上体をさらに右にひねる。できるだけ体が後ろを向くようにする。

(6)右手を体の後ろから回して左ももの付け根に添える。届かない場合は、左の腰あたりに添える。

(7)顔や目線も上体と同じ方向へ。

(8)反対側も同様に行う。