アディダスヨガは、ドイツのスポーツ用品会社アディダス(Adidas)が開発したヨガのプログラムです。全国のスポーツジムで行われています。テンポが速く、次々とポーズを展開するのが特徴です。運動量が多くハードですが、毎回同じパターンなので流れが覚えやすいです。
リラックスでなく体力をつける
ヨガには「トレーニング」と「リラックス」という2つの側面がありますが、アディダスヨガはトレーニング系のヨガです。 鍛えることに重点が置かれており、体力をつけるのに役立ちます。
アシュタンガヨガがベース
アディダスヨガのベースになっているのは「アシュタンガヨガ」という流派です。
アシュタンガヨガとは、インド人のシュリ・K・パタビジョイス氏(1915年~2009年)が始めたヨガの種類です。パワーヨガに似ていて、高強度のポーズが多いです。
毎回「決まった動き」を繰り返すのが特徴です。動きを変えずに行うことで、自分の成長度や課題を確かめながら、一つ一つのポーズを極めていくことができます。 インドだけでなく、日本や欧米にも多くの実践者がいます。
このアシュタンガヨガをより一般の人に親しみやすいようにプログラム化したのが、アディダスヨガです。アディダス社が日本のアシュタンガヨガ指導者、吉川めいさんと共同で開発しました。
基本は60分です。
レッスンの基本は60分です。スポーツジムのヨガのレッスンの中では初級でなく中級向けとして位置づけられています。ただ、実際にはヨガ初心者の人も気軽に参加しています。
常にバンダを締める
アディダスヨガでは、常に「バンダ」を締めます。 バンダとは、体の中で気のエネルギー(プラーナ)を閉じこめ、制御する場所です。 (バンダとは→)
下腹のポッコリの解消へ
アディダスヨガでは、バンダの中でもとくに肛門のあたりにある「ムーラ・バンダ」や、お腹の「ウディヤナ・バンダ」をとくに意識します。 お尻やお腹をしっかりと締めたうえで、 内臓を下から上へと引き上げていきます。これによって、下腹のポッコリや脂肪の垂れ下がりを解消します。お腹痩せの効果が期待できます。
また、インナーマッスルへの意識が高まり、体のコアがしっかりと定まって軸が強くなります。
呼吸は「胸呼吸」
アディダスヨガでは胸呼吸が基本です。一般的にヨガでは「腹式呼吸」が推奨されていることが多いですが、アディダスヨガでは胸に息を吸い込む「胸式」を採用しています。
胸式を取り入れている理由は、常にお腹に力を入れておくためです。腹式呼吸だと、吸った空気をお腹に入れたときに、お腹がゆるみやすくなります。お腹を締めたまま呼吸を続けることで、お腹のインナーマッスルが鍛えやすくなります。
また、1回の呼吸は4秒で吸って、4秒で吐くというのを基本にしています。
目は閉じない
アディダスヨガでは最初の瞑想のときに目を閉じません。目を閉じるのは、最後のシャバーサナのときだけです。 ただ、半眼にはなります。顔が正面を向いているときは目線を斜め下の鼻先に向けるようにします。
速めのポーズ展開
アディダスヨガでは、一つ一つのポーズの静止時間が短めになっています。ポーズの静止時間を長めにとりたい人にはあまり向いていません。
同じ動きを繰り返す
また、アディダスヨガでは、アシュタンガヨガのように毎回のレッスンで同じ動きを繰り返します。 それによって自分の体の変化を見つめやすくなっています。その反面、飽きやすいです。
太陽礼拝を連発
アディダスヨガのレッスンでは、太陽礼拝のポーズに長い時間をかけます。太陽礼拝とは、数個あるいは10個以上のポーズを組み合わせたシークエンスです。 (太陽礼拝とは→)
通常のクラスでは、冒頭の瞑想が終わったらいきなり太陽礼拝でスタート。 太陽礼拝の「A」と「B」と呼ばれる2つの種類を、それぞれ5回ずつ行います。これによって、体を一気に目覚めさせます。
蓮華座で座る
アディダスヨガでは、蓮華座(パドマ・アーサナ)で座ることが推奨されています。蓮華座とは「あぐら」を応用させた座り方で、両足のひざを反対側の太ももの上に載せます。あぐらより難易度が高いです。蓮華座が難しい人は、通常の片方の足だけ太ももに載せるか、通常のあぐらで座ります。
レッスン終盤では、蓮華座で座った状態から、(マハー・ヴェーダ・ムドラー)などの座位のポーズを行います。