ヨガの立ちポーズの中で、最も一般的な動きといえば、「英雄のポーズ」です。まさにその姿が戦う英雄のように見える勇ましいポーズであり、勇壮な気分で行うことが推奨されています。

英雄のポーズ1番↓英雄のポーズ2番→英雄のポーズ3番→

名称

英雄のポーズは、正式名を「ヴィーラバド・アーサナ」(Virabhadrasana)といい、ヒンドゥーの伝説の英雄の名前から名づけられています。英語では「Warrior」(ウォーリア)といいます。

日本語では様々な呼称があり、英雄のポーズのほか、「戦士のポーズ」「武将のポーズ」「勇者のポーズ」とも呼ばれています。

目的

英雄のポーズは、体の中から強く沸き起こるエネルギーを制御するアーサナです。

大きく広げた足で大地を強く踏みしめ、腹部をしっかり引き締めます。一方で、上半身は腕を伸ばし、胸を開いて、のびのびと上空や地平線へと広げていきます。

これにより、全身を使いこなしながら、自分自身の内なるエネルギーをバランスよく整える術を身につけることができます。

種類

英雄のポーズには、主に「1番」「2番」「3番」という三つの種類があります。


英雄のポーズ1番(Warrior1)

英雄のポーズ1番(Warrior1)について、一般的なやり方や効果を紹介します。

やり方【前半】


(1)両脚を肩幅より広めに開いて、両腕を横に広げる。

(2)右足のつま先を右方向に向ける。その後、体を右にひねって右を向く
※骨盤も右側に向ける。左の骨盤が後ろに逃げやすいので、ぐっと前に出す。

(3)吐く呼吸で、前の足(右足)の膝を曲げて踏み込む。
(後ろの足で強く支えるのがポイント)

(4)腕を上に伸ばし、頭上で合掌する。(肩回りが苦しければ、左右横に開いたままでOK)
視線を斜め上に向ける。

やり方【後半】

(5)(4)の頭上で合掌した状態でしばらく静止する。
この間、呼吸がとても大事になる。 鼻から息を吸いながら、中心を引き上げる。
吐く呼吸で、右の膝をもう一つ踏み込む。おへそは引き上げる。
(右脚のももの裏側をなるべく床と平行にする)
後ろの足が緩まないように、足でしっかりと床を押すのもポイント。
(両足に均等に負荷がかかるようにする)

(6)両腕を下げて、左右平行に。
息を吸いながら、曲げていた右のひざを伸ばす。

(7)体を正面に向ける。
両足のつま先の向きを正面に戻す。
→この後、左側を向いて、これまでと左右反対の動きを行います。

効果

骨盤のズレを整える

英雄のポーズ1番を行うと、骨盤のズレを整えることができます。また、股関節の柔軟性を高めることができます。これにより、腰痛を緩和する効果が期待できます。

コアの強化

ポーズをしている間、体がグラついたり、腰がそったりしないようにする力が働くため、腹筋やコアマッスル(インナーマッスル)を強化できます。

美脚

さらに、ポーズを深めていくことで、太もも裏の筋肉や、骨盤底筋を鍛えることができます。筋肉のついた美しい足のラインをつくるのに役立ちます。

英雄のポーズ2番→英雄のポーズ3番→

注意点

・手をあげた時に 腰をそりやすくなるので、おなかに力を入れて腰を守りましょう。

・肩を痛めている場合は、腕を挙げずに腰にあてます。

・首や背中を痛めている場合は、背中をそらさず目線をまっすぐ前に保ちましょう。

英雄のポーズ2番→英雄のポーズ3番→

参考文献

「ヨガのポーズの意味と理論がわかる本」

「YOGAポーズの教科書」